柔道整復師Renです!
私は現在、完全歩合制(フルコミッション)の契約を整骨院で結び働いております。
個人事業主でもあるので市役所に開業届をだし、今年も確定申告を自分でおこなっています。
私の場合はいきなり歩合制になったわけではなく、固定給をもらっていた時代もありますから、どちらも良い点と悪い点も肌で経験してきました。
これからの時代、フリーランス柔道整復師も増えてくるのではないかと思うので、「歩合制って実際どうなの」って疑問にメリット・デメリットを解説しながら明らかにしていきます。
柔道整復師が歩合制の整骨院・整体院で働くメリット
柔道整復師が整体院や整骨院で歩合制で働くメリットは、
- やらなきゃいけない自覚が芽生える
- 自分で考える癖がつく
- 雇われと独立の間を経験できる
- ちゃんとやれば収入が上がりモチベーションアップ
以上が私が実際に働いてみて感じるメリットです。それぞれ解説していきます。
①やらなきゃ生き残っていけない自覚が芽生る
歩合制は「結果を出した分だけお金になる」ともいえるし、「サボれば自分の収入が減る」ので、とにかく行動しなければいけません。
雇われとの差はそこが大きいですかね。
やらなきゃ生き残っていけないので脳みそ使って試行錯誤もするし、患者さんの対応も変わります。
とくに患者さんの対応の意識は確実に変わって、変な対応したりやる気のない対応をすれば自分のお金も減るし、なにより患者さんのためにならないと気付き私は変わりました。
雇われだと思いつかなかったアイディアが見えるようにもなり、それを実践してさらに成長する好循環が今は構築できています。
②自分で考える癖がつく
上記のことでも触れてはいますが、自分で考える癖がつきました。
新規集客が少ない理由、リピート率が低い理由、売上が上がらない理由、患者さんがなぜここに来たのか、なぜこの患者さんの不調が出ているのか、とにかく考えるようになりましたね。
そこから出るアイディアや施策が成功しようが失敗しようが、【自分で考える→まずやってみる→結果が出る→さらにブラッシュアップ】という流れが自然と身についてきています。
雇われの時も「やらなきゃ」という自覚がありましたが、どこかで安心している自分がいたのも事実。それが無くなって、自分でリスクを取って覚悟を決めたことで私は良い方向へ成長できました。
③雇われと独立の間を経験できる
歩合制は自分1人で独立するよりはかなりリスクが低い。
イメージ的には、独立>歩合制>雇われ、の順でリスクが下がります。(決して雇われが悪いわけではありません)
歩合制の良い点は、「プチ開業が経験ができるよ」という点。
将来独立しようと考えている人がいると思いますが、いきなり全て1人で経営するのは難しいです。
よくあるのが、雇われのときにはうまくいってて繫盛してても、自分で独立したら繫盛しなくて、でも何したらいいのかわからないまま廃業してしまうこと。
しかし、歩合制だと自分で考えて行動するので、その経験が確実に独立した時に活きてきます。
何かをやろうとしても今の整骨院ブランドを利用できるのでうまくいきやすいし、万が一失敗しても自分だけがめちゃくちゃ損をするわけではありませんから。
④ちゃんとやれば収入が上がりモチベーションアップ
歩合制でまず思いつくメリットは、自分の頑張りが報われれば全てお金で返ってくる、ことですよね。
形態にもよりますが、私は実際に収入が年100万ほどが上がりました。
もちろん自分で税金を払わなきゃいけない部分がありますし、ボーナスがないのも理解しています。
ただ、まだまだ伸び代はありますから、自分次第で収入が上がる可能性があるのがモチベーションアップにつながっています。
柔道整復師が歩合制の接骨院・整体院で働くデメリット
ここまで歩合制のメリットをあげてきましたが、もちろんデメリットもあります。人によって価値観が違いますので、デメリットが大きく感じるなら歩合制を選択はしない方がいいです。
私はメリットの方が大きいと思ったから歩合制を選択したので。そこは勘違いしないように。
私がデメリットと感じる部分は、
- 安定とは言えない
- 自分の能力が影響する
- 場合によっては個人事業主になる必要も
- 休んだ分だけ収入が減る
以上があげれらます。
①安定とはいえない
自分でいうのもどうかなと思いますが、素直に言うと「月の収入が変動するから心は安定しない」です。
危機感があるのでそれがプラスに働いていて現在は成長できていますが、それでも不安が0かというとそうではありません。
安定という言葉とは無縁になります。まじで。
収入の数字だけ見れば安定はしているかもしれませんが、「何かあったら0円」という心の不安は無くならないのです。
これが歩合制の最大のリスクでしょう。
プラスにとらえると、この不安定さを独立前に経験できるいるのすらありがたいんですがね。
ずっと固定給だったのが、いきなり独立して収入が不安定になるのを想像すると、まじで頭おかしくなりそうですから…
②自分の能力が影響する
整体院や整骨院ではとくにそうなんですが、自分の能力が収入にもろに影響を及ぼします。
問診等でのコミュニケーション能力が低ければリピート率も下がりますし、技術が低ければ患者さんは納得しないので2度と来ないでしょう。
私は歩合制にしようと前々から計画していたので、事前に自分の課題をクリアし歩合制になった為、リピート率も技術も心配はいらないくらいのレベルでした。
③完全歩合制は個人事業主になる必要も
完全歩合制の場合は雇われの扱いにはならないので、個人事業主にならなければなりません。(固定給+歩合給であれば雇われの扱いになるそう)
個人事業主になると、確定申告や税金の支払いを自分でやらなきゃいけないのは大きなデメリット。
確定申告があるので、経費の計算もしなきゃいけないし、よくわからない税金も自分で計算しなきゃいけないです。
今は会計ソフトがあるので1人でも簡単にできますが、それでも確定申告はだるいですよ…
④休んだ分だけ収入が減る
風邪を引いた、病気になった、怪我をした時なんかは施術することができなくなりますから、自分の体は大切にしなければなりません。
独立した場合も同じリスクがあるとはいえ、歩合制ではよりいっそう体調に気を付けないと収入が0円になる可能性もあるわけです。
しかし、収入を1つのところから得るのではなく、副業で稼いでおくとリスク分散が可能なので、本業をやりながら副業でも収入を得る仕組みを作っておくといいでしょう。
柔道整復師でも出来る副業は別記事で詳しく解説しているので、そちらをご覧ください。
まとめ:安易に歩合制を選択してはいけない
「歩合制ってやればやるほどお金がもらえるし、今の収入より増えそう!」という安易な気持ちだけで歩合制にするのはおすすめしません。
心が安定しないので、仕事が楽しくなくなってしまいます。
私が歩合制の決断をした理由をあげると、
- 開業を考えているので、その前に個人事業主の経験をしたかった
- 成長することでより良いサービスを患者さんに提供したい
- 1年間雇われで固定給をもらいつつ、「もし歩合制だったらいくらもらえるのか」を計算した結果、雇われよりも収入が多いデータが出たから
- やったらやった分の見返りがほしかった
- 絶対に稼いでやるという覚悟があった
- 歩合とはいえ、すでにある整骨院ブランドを使える安心感があった
- 自分の技術が一定レベルに達していた
多くなってしまいましたが、自分なりにかなり考えつつ半年ぐらい準備して歩合制を選択しました。(固定給のままでもいいという感じで、本当に自分次第だった)
階段を一歩づつ登ったからこそ、歩合制にしてうまくいったと思っていますし、開業まで考えていたからこその決断です。
収入が0円になるかもしれないリスクを取ってでも、収入を増やしたり自分が成長したいなら歩合制が向いているでしょうし、開業を考えている人も歩合制にチャレンジする価値があると思います。
そうではなく、安定を求めているならば固定給のままで大丈夫。
どっちが良いか悪いかという話ではなく、自分の考えや価値観で決める話。私は結果的にすごく成長につながりましたので、歩合制を経験できている今がすごく楽しいです。
繰り返しになりますが、稼げそうだからといってこちらの世界に来ると痛い目みるので、しっかり考えて準備してから歩合制を選択するようにしましょう。