柔道整復師Renです。
2018年3月4日に実施された、第26回柔道整復師国家試験。
そして、3月28日に合格発表が公式に出ました。
最初に伝えておくと、合格率かなり低いです。
「58.4%」
これが今年の合格率です。
ついに60%を切りましたね…
半分は受かってるじゃん、と思いがちですが、他の資格と比べてみるとかなり低い数字です。
私が国家試験に合格したのは、第24回の2016年に実施された試験ですが、その時にも合格率が低いことで話題になりましたが、それより低いとは驚きです。
はっきりいって異常な数値を叩き出した、柔道整復師業界に何が起きているのか、私なりに考察していきます。
この記事では、
- 国家試験の合格率を知りたい
- 2019年に国家試験を控えている
- これから柔道整復師になろうと考えている
なんて人におすすめです。
※最新の2019年に実施された27回柔道整復師国家試験については「【2019年】第27回柔道整復師国家試験について他の資格と比較しながら考察してみた」をご覧ください。
過去の受験者数と合格率からみてみる
まずは、過去と今年のデータを比べてみましょう。
まずは人数から。
受験者数 | 合格者数 | |
2014年 (22回) | 7,102名 | 5,349名 |
2015年 (23回) | 6,858名 | 4,274名 |
2016年 (24回) | 7,122名 | 4,583名 |
2017年 (25回) | 6,727名 | 4,274名 |
2018年 (26回) | 6,321名 | 3,690名 |
今年は例年より少ない人数ですね。
しかし、極端に減っているわけではありませんし、2013年(22回)は6,503人でしたので、今年の人数だけがおかしくはないのです。
次に、合格率をみていきましょう。
合格率 | |
2014年 (22回) | 75.3% |
2015年 (23回) | 65.7% |
2016年 (24回) | 64.3% |
2017年 (25回) | 63.5% |
2018年 (26回) | 58.4% |
見てわかる通り、年々下がっています。
5以上前は平均合格率70%は超えていたので、今の数字が異常な数値なのは一目瞭然。受験者数はそこまで変動がないのに、なぜ合格率は下がっているのでしょうか?
他の医療国家資格と比較
柔道整復師と似たような資格と比べてみましょう。
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指・理学療法士・看護師の2018年度の合格率を見てみましょう。
合格率 | |
柔道整復師 | 58.4% |
はり師 | 57.7% |
きゅう師 | 62.5% |
あん摩マッサージ師 | 83.0% |
理学療法士 | 81.4% |
看護師 | 91.0% |
資格によって出題範囲や問題も全く違いますので、あくまでも参考程度にみてほしいですが、柔道整復師は低いです。
はり師やきゅう師も、柔道整復師同様に低くなってきていますね。合格率が低くなるのは悪いことばかりではありませんが…
なぜ、合格率が低くなっているのか
まず、合格率が低いことが必ずしも悪いことだけではないことを知っておいてください。
合格率が低くなるということは、しっかり勉強している人だけが合格するようになります。それは全体的に柔道整復師業界の底上げになりますので、決して悪いことばかりではないことも頭に入れておきましょう。
合格率が下がっているのに考えられる要因は3つあります。
- 柔道整復師の数が増えすぎている
- 純粋に問題が難しくなっている
- 全体的な学力が落ちてきている
それぞれ解説していきましょう。
①柔道整復師の数が増えすぎている
接骨院・整骨院は今ではコンビニより多いとされていますが、その理由として柔道整復師の数が増えているから。
競争も激しく、数年以内に院をたたんでしまう人も多いのが現状です。
なぜ、柔道整復師が増えたかというと学校数の増加です。
10以上前は、柔道整復師の勉強ができる学校は全国に14校しかありませんでした。
それが、10ほど前に厚生労働省が「学校をもっと作っていいよ」と許可したため、今では100校ほどの専門学校・短大・大学が存在しています。
その為、柔道整復師の数が急増して業界が盛り上がっているのは良いことですが、それが接骨院・整骨院が乱立している要因にもなっているのです。
さらには、不正請求などで逮捕される事例が増えてきているのも問題視されています。
誰でも受かるような難易度ではなく、適正な学力と知識を持っている人が受かる難易度に変わっている最中なのではないのかと推測しています。
②純粋に問題が難しくなっている
これは私が2016年に受けたときにも言われていたことです。
「柔道整復師の国家試験が年々難しくなっている」
たしかに、過去問題などを解いていても見かけない言い回しや言葉があったり、今まであまり出てこなかった範囲の問題があったりと出題傾向が変わっている印象で、私自身も難しくなっているのを体感していました。
医療は常に進化していますし、柔道整復師も今年で第26回なので歴史も長くなっています。
そのため出題傾向も変えて、ただ過去問だけをやっていればいい勉強方法では通じないような問題にシフトしているのでは?
③全体的な学力が落ちてきている
これは1番考えたくない要因です。
でも、ありえるかもしれません。合格率が下がっている以上、何かしらの要因があるはずなので学力が下がっているのは避けては通れない考えですね。
正直なところ、専門学校に入学するのは簡単です。定員割れしている学校も多いですし、学校数も多くなっています。
授業のレベルやテストの難易度はその学校次第なので、そこまで力を入れて勉強しない学校もあってはおかしくはありません。
その数が増えれば、全体的な学力が落ちてしまいますよね。
2017年のデータですが、合格率が0%~10%の学校は全て専門学校です。これは紛れもない事実です。
全体的な学力が落ちてきているのはあながち間違っていないのかもしれません。
まとめ:ちゃんと勉強している人が受かる
合格率が低いからといって、柔道整復師の未来が暗いわけではありません。
むしろ明るいと思います。
学生の方や、これから柔道整復師を目指す方はやることは1つです。
しっかりとした知識を身に着けること。
医療に携わる者として、最低限の知識は必要です。たまたま受かっていても現場に出て何も役に立ちません。
柔道整復師という仕事をするために、日ごろから勉強するようにしていきましょう。
柔道整復師国家試験の勉強法も紹介しているのでご覧ください!
これから柔道整復師になりたいと考えている人に向けて知ってほしいことを別記事でまとめているのでご覧ください。