柔道整復師Renです。
私は柔道整復師という資格を取得しています。国家資格にあたる資格なので、当然私も国家試験たるものに合格しております。
柔道整復師という言葉はなじみがないかと思いますが、この資格は人を助けるために得るものですから、実は魅力たっぷりの資格なのです!
しかし、柔道整復師という言葉で聞く最近のニュースは、不正請求をしていて逮捕された、というものばかり…
真面目に治療している人にとっては悔しいです。
人のために日々治療している人の方が多いのに、悪さをしている人が1人でもいることで世間の目は冷たくなります。
多くの人が柔道整復師について誤解してしまい、「接骨院は怪しい」とか思われたくないので、今回は柔道整復師について熱く書いていきます!
この記事では、
- 柔道整復師って何?
- 柔道整復師は何ができる資格なの?
- 柔道整復師について詳しく知りたい
なんて疑問や悩みに答えていきます!
柔道整復師について
柔道整復師法によって規律され、柔道整復を業とする者を「柔道整復師」と言います。
1年に1回3月に、国家試験がおこなわれているので、それに受かった人が厚生労働大臣から免許を与えられます。
柔道整復とは、新鮮でかつ急性期の骨折・脱臼の応急処置や打撲・捻挫・挫傷などの怪我に対する施術を指します。
骨折や脱臼は医師の同意を得た場合は施術することが出来ますが、応急手当であれば同意なしで対応可能なので、道ばたに「肩が外れてしまって痛がっている人」がいれば柔道整復師なら助けてあげることもできちゃうんですよ。
ちなみに、骨折や脱臼を整復(骨を元の位置に戻すこと)は医師か柔道整復師しかおこなえいので、貴重な資格なんですよね!
- 足首をひねってしまい、はれている(捻挫)
- 転んだ時に腕を強く打ってしまって痛い(打撲)
- 走ったら肉離れをしてしまった(挫傷)
- 骨折(脱臼)をしてしまい、その後の治療をすることを医者から同意を得ている場合
資格を取った後は接骨院や整形外科で柔道整復師は活躍することが多いです。
怪我をして接骨院に行ったことがある人は、施術をしてくれた先生が柔道整復師の資格を持っているんですよ!
あと柔道整復師は、「開業権」を有しています。
柔道整復師と名乗って自分の整骨院や接骨院としてお店を出せるんですね!柔道整復師以外は整骨院や接骨院と名乗ってはいけないのです。
自分で接骨院をひらければ自分の理想とする院を作れるし、もちろん売り上げがあがれば自分の収入も増えます。
接骨院を開ける開業権は柔道整復師ならではのものですので、これはすごく魅力的。
健康保険を使える?
接骨院では健康保険を使っていることは聞いたことある人が多いと思います。
接骨院では柔道整復による業に健康保険が使え、正式には「医療保険療養費支給申請」と呼ばれます。
健康保険を使用できるのは柔道整復師にしかない強みで、似たような業務の理学療法士や整体師などは健康保険を使えません。健康保険を使えると聞いただけで、一気に信頼度も増しますから柔道整復師の強みの1ですね。
しかし、先ほどお伝えしたことを思い出してください。
”新鮮でかつ急性期に起きた怪我に対する施術”が柔道整復の業と呼ばれています。
つまり、新鮮でかつ急性期の骨折・脱臼の応急処置や打撲・捻挫・挫傷などの怪我に対する施術だけが健康保険を使って療養費を請求できます。
「昔から肩こりがひどくて治療してほしい」という人が来たら、柔道整復師は健康保険を使って治療することは本来できないのです。
厚生労働省の公式HPにもちゃんと載っています↓
単なる肩こり、筋肉疲労などに対する施術は保険の対象になりません。このような症状で施術を受けた場合は、全額自己負担になります。
これを勘違いしている人が多いです。
接骨院だから何でも健康保険を使って治療できるわけではないんです!
さらにたちが悪いのが、柔道整復師です。
悲しいことに、「肩こりや腰痛を急性期の怪我にして、健康保険を使って施術している」接骨院が多いのが現状です。
長年、業界に知れ渡っているグレーゾーンってやつです。
最近では国も対策に乗り出していて、捕まっている人も出てきているので、もう少しすれば新鮮でかつ急性期の怪我以外は健康保険が使えないようになっていくでしょう。
柔道整復師として法律に乗っ取り仕事をしている人だけが、健康保険を使って施術ができる恩恵を受けられる本来の姿ですから。
柔道整復師になるには
柔道整復師になるには、
- 専門学校に通う
- 大学に通う
- 短大に通う
この3つしか選択肢はありません。
柔道整復師養成施設と呼ばれる、専門学校・大学・短大で専門科目を学び単位を取得できれば、国家試験を受ける資格を得られます。
養成施設は、全国に109校が存在します。(H27年度のデータ)
最短でも専門学校・短大の場合で3年かかり、大学だと4年かかることになります。
大学と専門学校どっちがいいのかこちらの記事で解説しているのでご覧ください。
その間に専門科目(解剖学、生理学、運動学、病理学概論、衛生学・公衆衛生学、一般臨床医学、外科学概論、整形外科学、リハビリテーション医学、柔道整復理論及び関係法規)を学びます。
もちろん、上記の科目以外にも授業もありますし、実技試験もあります。
私は専門学校出身なので、専門学校に入学する方法を解説しているので、興味がある方はご覧くださいね!
国家試験は難しいの?
努力次第です。
コツコツ勉強できれば国家試験は合格できますが、年々合格率も下がっていますので、ちょっと頑張るだけでは合格できないのが現状です。
2018年におこなわれた国家試験の合格率は58%です。これは医療系国家資格の中でもかなり低いです。
3年間ある中で準備をすれば、確実性はかなり増します。
ギリギリになって勉強しても遅いので、コツコツと3年間積み上げるように勉強しましょう。
2018年国家試験に対する考察も書いていますので合わせてご覧ください。
就職先に関して
多くは、接骨院や整骨院に就職します。鉄板ですね。
私も接骨院に就職しています。(健康保険を使ってはいませんが)
学生の時に研修をしていてそのまま就職する人もいれば、国家試験の前に就活をする人、国家試験が終わった後に就活する人のパターンに分かれます。
4月からバリバリ働きたいなら、国家試験の前に就活しておくのがいいですね。余程のことがない限りは、柔道整復師の免許さえ持っていれば就職できます!
次に多いのは、整形外科ですね。
いわゆる病院勤務になるので、収入や福利厚生が安定しています。
最近では、介護での現場で機能訓練指導員として働く人も増えています。
柔道整復師の免許を取得すると、同時に機能訓練指導員という資格も名乗れるんですよ!しっかりとした知識を持って、介護の現場に入ることができるので重宝されます。
とくに女性の方が選ぶのが多い印象ですね。
他には、トレーナーという選択肢もあります。
柔道整復師としての豊富な体の知識を生かして、スポーツ選手のサポートをします。又は、フィットネスジムに勤務したり個人と契約をしたりと、様々な形があります。
最近では、私の務めている接骨院のように、整体院・治療院として生まれ変わる院も出てきています。今まで学んだ専門知識を元に、クオリティが高い治療をおこないます。
私は「どこに行っても治らなかった人」や「薬に頼らず不調を治したい」という人に向けて治療をおこなっております。(素人でもできるようなモミモミする治療ではないです)
治療家と呼んだ方がしっくりくるかもしれませんが、これも柔道整復師としての生き方の1つです。
このように、柔道整復師の免許さえあれば、様々な業務に携わることができますよ!
給料は?儲かるの?
これ気になる人がほとんどですよね。
いくら、人のために施術をしても、給料が少なかったらやる気でないですよね…
接骨院や整形外科で働く場合は20万前後になることが多いです。地域差があると思いますが、住んでいる地域の平均初任給ぐらいの感覚ですね。
院長や副院長などの役職につけば25~35万あたりも夢ではないでしょう。
ボーナスは出る院と出ない院で分かれます。個人で経営している接骨院は、要確認ですね。ない場合もあります。
ある程度大きな会社であれば、出るところが多いです。
年収については別記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください!!
柔道整復師の未来
私は、柔道整復師の未来は明るいと思っています。なぜかというと、代わりがいないから。
人工知能にもできない仕事内容で、痛みや怪我はこの先も減らないです。
だから未来は明るいと確信しています。
ただし、これは個人としての能力を上げていく人限定です。
これからの未来、個人が輝く時代がやってきます。
フリーランスという言葉が最近よく聞こえるように、時代はどんどん移り変わっていて、すでに個人で活躍している人もたくさんいます。
柔道整復師も同じです。個人としての能力を上げ続けなければいけません。
「国家資格を取れているから大丈夫」と余裕ぶっこいて平凡な生活をしていると、下の世代の優秀な人にあっという間に抜かれます。
大きな接骨院に就職して油断していても同じ。
組織にいようが、開業しようが、柔道整復師としての能力を上げられれば可能性は無限大に広がります。
国家資格を取っている以上、ある程度の医学的知識を学んでいますし、一般の人から見れば国家資格という安心感や信頼度は高いです。
健康保険を使う、整体をやる、トレーナーをする、柔道整復師という名前を利用できるのは価値は高い。それを国家資格というぬるま湯につかっていては、それこそ仕事が無くなってしまうでしょう。
柔道整復師という魅力がたくさんある資格を、生かすも殺すもあなた次第。
これから柔道整復師を目指す人は、個人で輝けるよう日々トレーニングしてください。
未来は明るいですから。
柔道整復師を目指している人に知ってほしいことを別記事でまとめているので、ぜひご覧ください。