柔道整復師Renです!
現在、コンビニの数より多いとされる接骨院。
そんな接骨院には「ブラック接骨院」と呼ばれる存在があり、近年話題になっている「ブラック企業」と同じような働き方をしています。
ブラック接骨院で働いて得るものがあればいいのですが、大抵の場合は心身ともに消耗するだけ。
接骨院だけで働いていると世の中の常識が見えてこなくなったり、洗脳状態になって正常かどうかの判断もできなくなります。
今回は少しでも世の中の正常とブラック接骨院がずれているかを認識できるようにお伝えしていきます。
あなたは大丈夫ですか?無理をしていませんか?
一緒に確認していきましょう。
ブラック接骨院の7つの特徴
ブラック接骨院の特徴は、一般的なブラック企業と同じです。
しかし、接骨院という狭い空間でしか普段は仕事をしないので、自分の環境が異常かどうかわからない場合もありますし、何より接骨院で働くこと事態が特殊なので一般のサラリーマンとは違う部分が多いです。
私も接骨院で働いている身ですし、周りの友人も接骨院で働いていることが多いので、接骨院ならではの事情も加味しながらブラック接骨院の特徴をまとめていきます。
ブラック接骨院の特徴は7つあります。
- 夜遅くまで残る
- 残業代が出ない
- 給料が低い
- 不正請求しかしてない
- 指導がまったくない
- パワハラ・セクハラがある
- 流れ作業を頑張っていることに満足
それぞれの項目を解説していきます!
①ブラック接骨院は夜遅くまで残る
夜遅くまで残る、いわゆる「残業」ですね。
接骨院の場合は診療時間が決められています。
一般的な接骨院は、
午前:9:00~12:00
午後:15:00~20:00
みたいな営業がほとんど。多少前後はありますが、診療時間だけをみると勤務時間は8時間程度。
着替えや準備・片付けも含めるともう少し長いですかね。
昼休みが長いのでその間は休憩扱いですが、拘束時間は11時間ぐらいになるのでかなり長いですね…
と、いいつつ私も同じような働き方をしておりますので、ある程度は目をつぶっています(笑)
しかし、ブラック接骨院は、診療時間が過ぎてからが長い。
診療時間を過ぎた時点で患者さんが何人も残っていて1~2時間ぐらい残業するパターン、これ多いですよね。私は残業0なので診療時間終わる20時で帰宅します。早く帰りたいですし。
ギリギリに急患が入ってしまったら仕方ないですが、20時ギリギリにすでに通院している人が来たりしてるんですね。
診療時間で20時と書いてあるけど、飲食店とかってラストオーダーありますし、そもそも予約制で経営している接骨院もあります。
接骨院だったら、「診療時間終了の30分前までに受付してください」みたいなルールにすれば、たいていの人は30分前にちゃんと来ますし、予約制であれば診療時間終了と同時に患者さんの施術も終了する仕組みを作れます。
患者のためを思っていつでも来れるようにしてるかもしれませんが、
「従業員のことは考えてなくない?」
と私は思います。
まさにブラック接骨院の鏡ですね。
②ブラック接骨院は残業代が出ない
これは①の続きになります。
残業代が出るならまだその分お金も得られるので、診療時間が過ぎてもいいかなと。
ただ、多くの接骨院は残業はさせるくせに、残業代が出ない。
ふざけるな!法律守れ!
労働基準法では、「1日8時間、1週間40時間」と決められています。それを超える場合は残業代という認識が一般的。(詳しくはこちらのサイトを参考にしてください)
残業代が出ないということは、【あなたの大切な時間を残業として奪っていることに抵抗がない】ということになります。
タイムカードがない接骨院もある(私の妻がそうでした)ぐらい、残業代という概念がこの業界には薄いんで、あなたがタダで働いている分は院長・経営者だけが得をしているのです。
③ブラック接骨院は給料が低い
柔道整復師は、一般的な初任給・給料のことが多いです。役職につけば昇給することも多いですしね。
年収については「柔道整復師の年収は?ボーナスは?気になる疑問に答えます」をご覧ください。
ブラック接骨院は、残業たくさんあるけど残業代もなし、10万代の給料、ボーナスもなし。
なんやねん!このクソ条件!実際に私の周りにもこのような条件の人がたくさんいます。
そのくせ、院長は贅沢とかしてたりするんですよね…
④ブラック接骨院は不正請求しかしていない
これから先、もっと保険を使用するのは厳しくなってきます。昔は肩こりを捻挫で提出してもよかったかもしれませんが、今は違います。
そもそも、慢性症状を保険請求するのは不正請求になので犯罪ですからね。
不正請求をしているなら、あなたは犯罪者の仲間入りをしています。
慢性症状には自費治療を取り入れ、ケガに対してはきちんと保険治療をするのが今では普通ですよ。
不正請求しかしてこなかった人が、この世の中に自分のお店を出してみてください。すぐにつぶれますから。
もういい加減、「何とかして保険請求をする」とか「部位転がしして継続する」という法律に反する行為はやめにしませんか?
⑤ブラック接骨院は指導がまったくない
いきなり「あれやっておいて」「対応しておいて」などと言われても、指導を受けてなかったらどうしようもないですよね。
指導を受けていたり、マニュアルがあって出来なかったらそれはあなたの責任ですが、何も知らないのにやれって言われてもできるわけないですよね。
「目で盗め」と思っているのでしょう。いやそれも大切だけど、指導がない状態で患者さんの対応しちゃダメですよね。
ちゃんとあなたを育てる気があるなら、きちんとマニュアルも作り、時間を作ってあなたの指導をしてくれます。
患者も社員も大切に思っていないのです。
実は私の妻(柔道整復師取得)が以前働いていた接骨院でも、具体的な指導はあまりないまま仕事をして、突然、やったこともない初診対応をさせられたこともあるとのこと。
妻の体験談にはなりますが、現実にこういった教育もままならない接骨院があります。
妻はその接骨院は半年で辞めましたが、その後の話だと従業員のほとんどが辞めたらしく、妻は「やっぱりな」と言っていました…
⑥ブラック接骨院はパワハラ・セクハラがある
説明不要。
パワハラ・セクハラは論外ですね。
自分がパワハラやセクハラをしている自覚がないし、悪いことだと思ってないので改善のしようがないです。
パワハラやセクハラに関しては、今すぐ環境を変えましょう。
悩むだけ時間の無駄ですし、これ以上我慢して辛い思いしなくていいですから。
⑦ブラック接骨院は流れ作業を頑張っていることに満足
忙しくて患者を流れ作業のようにマッサージして1日が終わる。1日終わった後に残るのは「今日もよく頑張った」という満足感。
あなたが欲しいのは満足感なのでしょうか?
本当は、
「この人はあそこをよくしたら改善した!」という充実感があったり、
「あの人がなかなか改善しない。次はどうしようか」という挫折を経験するけど、
「じゃあ次は違う角度からアプローチしてみよう!」という問題解決能力が向上する。
このように柔道整復師は育っていきます。もちろん成長の過程での満足感はあります。
でも、満足感だけに満足していては成長していかないんです。
満足しているということは現状維持しかできないので、これから先は停滞か低下の道しか残されていないでしょう。
この満足感に浸っている人が本当に多いですから、気を付けてください。
ブラック企業のような接骨院が存在する理由
なぜ接骨院がブラック企業化しているところがあるかというと、「個人で経営している」と「昔からの伝統」の要素が大きいです。
接骨院は個人で経営している小規模店舗がかなり多いのですが、法律などの知識を知らないまま開業する人が多いので環境が整わないのです。さらには人数が少ないので1人にかかる負担が大きくなりやすいんですね。
その分、密に学べることもメリットですが、労働に関する知識は接骨院業界ではあまり定着していないので、個人というより業界全体の問題になってきています。
電通のような大企業だとすぐに大問題に発展しましたが、小規模だから表面化もしないので危機感を感じてない人も多いのが現実…
又、他にもやっかいなのは「昔からの伝統」です。
「俺らの時代はこうだった」
「俺がすごした時代ではありえない」
「修行している身だろ」
などと思っていそう・言っている経営者、院長はかなりやばいです。
たしかに昔は徒弟制度でガムシャラに働くことが普通だったかもしれませんが、今はそんなことないですよね。
考えが古臭いまま、現代に追い付いていない。頭が固いので、いつまでも昔に固執する。
ブラック企業によくいるんですよねこういう人は。とくに接骨院業界は体育会系のなごりもあるので余計に変化できない人も多い。
昔からの伝統なんて古臭いこといってんじゃねー!!
良い伝統と悪い伝統の区別ぐらいつけろや!!
この2つの要素があるからブラック企業化している接骨院があるのです。
私はこの業界の未来は明るいと思っていますが、このような闇の部分は我々が変えていかなければなりません。若い柔道整復師が自分達でこれからの未来を作るのです。
ブラック接骨院から抜け出す
ブラック接骨院で学べることがあるならそのまま働くことも選択肢としては間違ってはいません。
あなたに合っているなら無理に辞めることもないでしょうし、何かを我慢してまで得られるものが大きければ働く価値があると思います。(例:骨折がたくさん見れる、治療技術がすごいから学びたい等)
でも、あなたが本当にやりたいことはブラック接骨院のような働き方なのでしょうか?
残業代も出ない残業をして、毎日夜遅くまで残っている満足感にひたり、流れ作業を毎日繰り返す。自由な時間も少ないし、心も体も消耗している。得をしているのは上の人間だけ。
この先、何十年も続けていく仕事がこのままでいいのか今一度自分で考えてみましょう。
考えた結果、違う接骨院に転職するのも大いにありです。転職をすることは何も恥ずかしくありませんからね。
接骨院は地域に貢献し多くの人に体に貢献できる素晴らしい職業です。
私は柔道整復師・治療家として多くの患者さんの施術をしてきました。その中で、人間の回復力のすごさを実感したり、感謝されることもたくさんあります。
医療という「人の役に立つ仕事」に携わっている以上は、働く人も気持ちよくいてほしい。その思いがあるので、今回はこのような記事を書きました。
働く人がいて、治したい人がいるから医療は成り立ちます。自分の売上を増やしたい、利益をあげたいという思いだけの接骨院は医療と呼べるのでしょうか?
利益だけを求めていても働いていても楽しくありませんし、こき使われるように働いていても心が疲れるだけです。
どうやって接骨院を辞めればいいのか別記事で紹介しているので、真剣に辞めたい人や違う接骨院に転職を考えている人は参考にしてください。
転職サイトを見てみる
世の中に接骨院は数多くあります。
他の接骨院はどんな待遇で、どんな年収なのかを見てみると、自分の働いている環境との比較をしてみましょう。
もしかしたら、今よりも早く帰れて給料を多くもらえる接骨院があるかもしれません。
気に入れば本気で転職を検討すればいいので、計画を立てて行動してみましょう。
転職サイトは「ジョブノート」というサイトがおすすめです。
柔道整復師に特化しているので求人の数が多く、もしジョブノートから応募して採用されればお祝い金も25,000円もらうことができる特典があります。
又、無料会員登録をしておくと様々なサービスを受けることができますので、本気で転職を考えている人は登録しておくべき。まだ転職を決めかねている人はとりあえず求人を眺めてみるだけでも大丈夫です。
ぜひ、利用してみてください。
まとめ:ブラック接骨院の未来はないよ
- 夜遅くまで残る
- 残業代が出ない
- 給料が低い
- 不正請求しかしてない
- 指導がまったくない
- パワハラ・セクハラがある
- 流れ作業を頑張っていることに満足
最近は、条件が良い接骨院が増えてきています。
不正請求もせずに自費治療も取り入れながら社員と患者に貢献している院も多く、そういった接骨院はすごく成長しています。
世の中は働き方を改革している最中ですし、優秀な人材はみな優良企業にうつり、転職も今では珍しくなく当たり前になってきています。
1人でも多くの柔道整復師が、この記事をみて自分の現状が異常なのか理解してくれたらいいなと思いますが、そこから行動するのは自分自身。
何か相談したいことがあれば、ぜひお問い合わせから連絡してください。同じ柔道整復師として力になりますので。
転職を本気で考えている方に向けて、転職のやり方の全てをまとめた「転職マニュアル」を作成しています。
転職活動に役立つ内容になっていますので、ぜひご覧ください。